金属物性と小径薄肉スリーブ

技術部 福浦研究センターの大橋です

事務用コピー機や樹脂フィルム成形機等に使用される弊社の金属スリーブは直径10~1000mm、肉厚0.03~1.0mmまで各種生産されています。

その中でも直径50mm程度以下、肉厚0.1mm程度以下の小径薄肉スリーブの場合は、プレスで成形されたシームレス素管から加工されることが多く、材質面でも各種のものが用いられています。

通常はステンレス鋼が最もよく使われますが、金属物性を考慮して次のような金属やその合金の使われ方も考えられます。
 
1)縦弾性係数の小さな金属 : アルミニウム, 銅, チタン
   撓み(しなやかさ)を必要とする場合に有利

2)熱伝導率の大きな金属 : 銅, アルミニウム, マグネシウム
   熱伝導効率を良くする(省エネ)に有効

3)熱膨張率の小さな金属 : ニッケル合金(インバー), チタン
   熱による機器の寸法変動を抑える効果

4)比重の小さな金属 : マグネシウム, アルミニウム, チタン
   機器の軽量化に有効

5)強度および耐食性の大きな金属 : チタン, ステンレス鋼
   機器の疲労寿命、腐食寿命の面で有利

6)磁性および非磁性金属 
   磁性 : フェライト系,マルテンサイト系ステンレス鋼, 鉄
   非磁性 : オーステナイト系ステンレス鋼, 銅, アルミニウム

以上のような金属の利用が考えられますが, 素管がシームレスの場合はクラッド材の適用も考えられます。

金属スリーブを試作される際はぜひ弊社にご相談ください。お待ちしております。

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