今回はクリープ(creep)についてご紹介します。
金属材料は、弾性限度内においても一定なストレス(応力負荷)が掛け続けられている環境下では経時的に微小な伸び、ひずみεが発生し、最終的には破断にいたることが金属学的には定説となっています。また、高応力、特に高温環境下ほどクリープ変形速度が速くなり、粒界すべり・粒内すべり現象が顕著になるとも言われています。
クリープ変形にはFig.1に示すように3段階の過程があり、第一期は遷移クリープ、第二期は定常クリープ、第三期は加速クリープ過程があると言われています。
Fig.1 クリープ変形による歪
次に、ディムコで製造しているスピニング製法で作られた①SUS304製シームレスベルトのクリープ変形データをFig.2に示します。総合応力950MPaを掛けた時の各温度環境下においては、常温で0.1%、高温(200~300℃)で0.3~0.4%の伸び率またはひずみ率にて定常クリ―プ状態で維持されていることが確認できます。
Fig.2 SUS304 スピニング品の加熱クリープ疲労強度
ディムコでは金属・スチールベルト素材の特性を考慮して、お客様に適切なご提案ができるよう日々努力を続けて参ります。