メタルスリーブのディムコ、開発の竹村です。
最近は表面に微細パターン加工やミクロンサイズパターン加工を施し、機能を付与されたプラスチックフィルムが多くの分野にわたり使われるようになってきました。
このパターンを付与されたプラスチックフィルムは製造工程の中で、パターンの型彫りされたロール(マスターロール)により、加圧され成型されます。
このパターン付ロールは機械加工により成型されますが形状が微細であるため、極めて高価なものになります。
このロールを直接量産製造に使用すると、繰り返しの使用により型摩耗が発生し、ロールの再製作が必要になるため、ランニングコストが高価なものになります。このためパターン付きのロールを安価に作る手法が望まれております。
ディムコではパターン付きスリーブを安価に製造できる手法を開発致しましたのでその概略工程を以下に説明いたします。
1.マスターロールの制作
・マスターロールのパターンは機密性が高く、高価なため現在は客先支給のロールで対応しております。なお、当社でも対応は可能です。
2.マザースリーブの作成
・マスターロールの外径面にニッケルメッキ(電鋳)を行い板厚0.1~0.3mmの円筒の内面にパターンを転写されたマザースリーブを作成
3.マスターロールからのマザースリーブの分離
・電鋳されたマザースリーブはマスターロールにぴったりとついており二つは一体なっています。これをディムコが独自に開発した分離装置を使い分離します。
4.マスターロールの扱い
・分離したマスターロールは使用せずに、そのまま必要になる時まで保管します
5.レプリカスリーブの作成
・レプリカスリーブはディムコが独自に開発したスリーブの内面からメッキのできる内電鋳装置にセットされたマザースリーブの内径側にメッキすることで作成します。
6.マザースリーブからのレプリカスリーブの分離
・内面電鋳されたレプリカスリーブはマザースリーブの内径側にぴったりとついており二つは一体になっています。これをディムコが独自に開発した前述とは異なった分離装置を使い分離します。レプリカスリーブのマスターロールの表面の再現性は極めてよく、詳細は見方もによりますがサブμといえます。
7.レプリカスリーブを量産設備への適用
・レプリカスリーブのパターン付きフィルム量産機への適用はパターンのないフィルム量産機のメーンローラーの外径にレプリカスリーブを圧入することで適用します。
・メーンローラーへの圧入・取り外しはメーンローラーへわずかな追加工することで簡単にできます。
8.レプリカスリーブは必要数作りためしておき耐久性を管理して交換します。
工程が長く複雑なため具体的には別途詳細な打ち合わせが必要であります。