スチールベルトとISO 14001環境マネジメント

スチールベルトのディムコ、木曽川です。

関東地方の梅雨入りは平年6月7日ですが、沖縄が梅雨入りすると本州南岸にも前線が停滞し、関東地方も暫くぐずついた雨の日が続くようです。これを『梅雨の走り』と言うそうですが今週がまさにこれに当たるようです。

さて、環境といえば、ディムコはISO 14001 の認定を受けて早2年半が過ぎました。今年は更新年にあたります。ディムコはスチールベルトを主力製品として製造、販売をしていますが、今ではそれを装置に搭載した装置販売も主力になっています。

今回は、スチールベルトは金属という観点から環境マネジメントを通して述べて見たいと思います。

まずは材質。
スチールベルトはその殆どがステンレスです。金属なので樹脂、ゴムなどのベルトに比べて分別がし易くリサイクルが容易にできる優等生です。廃棄物管理規定では、スチールベルトの廃棄は資源リサイクルとして「有価物」で処理しています。
最も、お客様に納入したスチールベルトは、そのほとんどはお客様で処分されますがスクラップなどで有価物として処理されているはずです。

ディムコではグループ会社「株式会社天龍精密工業」がスチールベルトを製作しています。製品にするまで、幅広の薄肉ステンレス鋼帯からスリット、シャーリングを幾度か経て完成品にしていますが、その工程でどうしても端材が発生します。
工場で発生する端材はステンレスの中でもニッケルが多いステンレス、そうではないステンレス等にいくつかの種類で分別され、有価物の価値を上げています。

ここまでは廃棄物処理ですが、次は外部とのコミュニケーションについて述べて見ます。

スチールベルトをお客様に納入しますと、そのスチールベルトは装置に組み込まれます。
その装置が日本国内で設置使用されるのであれば問題は無いのですが、EU又は米国に輸出納入されるものとすると各種の提出物が必要となります。

  • RoHS2指令(有害物質使用制限指令) EUへ電子・電気製品を納入する場合、10の指定された特定化学物質の含有が制限される法律です。
    装置内の部品に一つでも有害物質の基準を超えたものがあるとその装置全体が対象になって上市(EU圏に納入)できなくなることです。
    このため、ディムコのスチールベルトに対して該当、非該当の証明を求められます。
  • REACH規則
    EUへ納入される全製品に対し、化学物質の管理及びリスクの高い化学物質(SVHC)の含有を禁止した法律です。やはりRoHSと同じくお客様から該当、非該当の照会があり、証明証の発行を求められます。
さて、次に米国ではEPAの有害物質規制法(TSCA)があり、残留性、生物蓄積性及び毒性(PBT)を有する5物質の含有、非含有の照会が寄せられます。これについても精査して証明証を発行いたします。
これらは今後、更に厳しい基準になっていくことでしょう。

ISO 14001の認定を受けたことによりこれらの証明証の発行がスムースになり、また工場との連携でそのエビデンスもトレーサビリティできる仕組みになっていますので安心してお買い上げ頂くことができます。
これらはこの環境マネジメントマニュアルに基づいて的確に処置されることになっています。

ディムコ ISO 14001 環境マネジメントマニュアル
ディムコ ISO 14001 環境マネジメントマニュアル


私たちはこれからあらゆる物のReduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル)の循環型社会の推進が求められています。
製品設計を行うときにいかに使う資源の量を少なくするか、廃棄物の発生を少なくすることができるか。また使用できるものは安全を考慮して使用したり、廃棄物となった場合でも分別をしっかり行いリサイクルして有効利用することなど。
それらの実現を可能とする製品設計、装置開発の取り組みが必要とされてきています。

ディムコの環境方針第1項は次のように掲げています。
1.環境にやさしい低負荷素材使用の管理強化をとおし、環境汚染の予防、並びに環境保護に努め、精密加工部品・機器装置の設計、製作、販売を行います。

ISO 14001の取得を機に環境に対する取り組みが全社的に広がって来ております。
これからもより一層環境に配慮した事業活動を積極的に推進して参ります。
今後ともディムコを宜しくお願い致します。

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