暑い日が続きますが、益々ご活躍のことと存じます。
弊社が開発した新しい技術として、薄肉円筒基材の製造技術があります。
この技術を応用した弾性特性を有する商品名を「エアロール」とした、主として樹脂フィルム、シートなどを連続して成形するためのローラーについて記述いたします。
この「エアロール」は数年前にお客様からの依頼により開発したもので、その後は
他のお客様からもご理解をいただきながら少しずつ実績を重ねてきましたが、ここにきて急激に依頼される本数が増加してまいりました。さらに実績は少ないですが、海外のお客様からも関心を持っていただいております。
今後は今までの経験を生かし改良型のものを開発してゆきたいと考えております。
さて、最近比較的大型(φ250 面長1200mm以上)であるエアロールを見られたお客様より、この技術を生かしたφ20~30、面長100~300mmほどの小型「エアロール」の依頼も受けるようになりました。
このエアロールはゴムロールの欠点を避ける目的で開発されたもので、ゴムロールと比較したデータがほしいという依頼により、ゴムの硬さ試験機で比較してみました。
ゴムの硬さ試験機は先端が比較的尖っており、ゴム測定の場合はゴムに刺さるようなかたちで測定されます。そのため、比較的柔らかい結果が表示されますが、「エアロール」は測定子の先端が凹むようなことがありませんので、硬さは高目に表示されます。
しかし、ゴムロールと「エアロール」を指で押してみますと、明らかに「エアロール」の方が柔軟性を感じます。
指で押した変形量と、ボールペンのような先端を持ったゴムの硬さ試験機とは明らかに差があることが判明しました。
即ち、ゴムの場合は尖ったもので押すと柔らかいが、比較的面積のあるもので押すと、押されて体積が変化する場所が取れないため硬さを示します。「エアロール」の場合はこれとは逆に尖ったもので押しても表面の金属は局部的に凹む量が少なく、親指程の面積で押すと金属の剛性は低いために空気の反力だけとなり、柔らかくなります。
このように、実際のもので比較してみると、特性が似ていると思われるものでも大きな差があり、「エアロール」はゴムにはない特性を示します。
また、「エアロール」は内圧により、日本の太鼓のように中心部が膨らんでいないか、とよく質問を受けますが、そのようなことはまったくありません。直径は圧力比例で均等に拡径します。ただし、軸端付近はシールがあり、その外側は内圧がかからないため径の拡大が少なくなっております。
また、お客様のご注文をいただいた部署では期待できる効果が得られなかったけれど、「エアロール」に関心のあった他の部署がそれを流用して、意外な効果が出たこともあります。
このように「エアロール」はまだまだ意外性を持ったもので、新しい問題解決の手段になり得るのではないかと期待されます。
ご興味有りましたら、お気軽にご相談ください。
▲小型エアロール
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