広い分野に使われている各種フィルムは技術の進歩によって、より薄肉化が進んでおります。この製造技術として、生産ラインの中に使われている搬送用ロールの低慣性化が望まれております。ディムコでは生産ライン向け用として低慣性ロールを開発いたしましたので、関連事項に関して紹介いたします。
1.低慣性ロールの構造
本ロールは従来のロールのようにロール本体は回転しません。固定された中空軸端部の空気供給口から圧縮空気を入れると空気はロールの表面に放射状に開けられた小孔から吹き出します。そしてその圧縮空気によりロールの外径に挿入された薄肉スリーブが空気中に浮上するため、この薄肉スリーブのみが抵抗なく軽く回転します。
低慣性ロールの外観
2.従来ロールに比べた慣性の比較
低慣性ロールと従来ロールの比較
3.低慣性ロールの効果
低慣性ロールによるメリットは、製造ラインのスピードアップによる生産性向上です。一般に、ロールの径、重量が大きいと慣性が大きくなり回転上昇によりフィルムとロール間に速度差が生ずるのでライン速度を上げることは難しいが、低慣性ロールは薄肉スリーブのみの重量であるため軽く、フィルムに対して追従性が非常に良いので速度を上昇させることができます。
その他のメリットとしては、クリーンネス、スクラッチレスが期待できます。